動画のビットレート|ABR・CBR・VBRの違いと最適設定
2026-04-03
動画ビットレートは動画品質とファイルサイズを決定する最も重要なパラメーターの一つです。ビットレートの種類(CBR・VBR・ABR)を理解し、用途に応じた適切な設定を行うことで、最適な品質とファイルサイズのバランスを実現できます。
CBR(固定ビットレート)
CBR(Constant Bit Rate・固定ビットレート)は、動画のシーンに関わらず常に一定のビットレートでエンコードします。単純な背景のシーンでも、動きの激しいシーンでも同じビットレートが使われます。ビットレートが一定なのでファイルサイズが予測しやすく、ストリーミング配信やライブ配信では帯域幅の管理がしやすいというメリットがあります。
デメリットは効率が悪いことです。シーンの複雑さに関わらず同じビットレートを割り当てるため、単純なシーンでは過剰なデータが使われ、複雑なシーンでは品質が足りない場合があります。ライブ配信(OBS StudioのCBR設定等)では帯域幅の安定性を優先するためCBRが推奨されることが多いです。
VBR(可変ビットレート)とABR(平均ビットレート)
VBR(Variable Bit Rate・可変ビットレート)は、シーンの複雑さに応じてビットレートを動的に変化させます。動きが多く複雑なシーンには多くのビットを割り当て、静止画に近い単純なシーンには少ないビットを割り当てます。同じ設定ファイルをCBRでエンコードするより小さいファイルサイズで同等の品質を実現できます。
ABR(Average Bit Rate・平均ビットレート)は指定した平均ビットレートを目標としながら、ビットレートを変化させる方式です。CBRとVBRの中間的な動作です。ffmpegでは-b:vで目標ビットレート・-minrate・-maxrateで最低・最高ビットレートの範囲を指定してABRを制御します。HandBrakeのABRモードやYouTubeへのアップロード向け設定でよく使われます。
CRF(定品質率)エンコード
CRF(Constant Rate Factor)はH.264・H.265のffmpegエンコードで使える品質制御モードです。ビットレートを固定するのではなく、視覚的な品質を一定に保つようにビットレートを自動調整します。CRF値は0(無劣化・最大ファイルサイズ)〜51(最低品質・最小ファイルサイズ)の範囲で設定し、低いほど高品質です。H.264では17〜28、H.265では24〜28が一般的な使用範囲です。
CRFモードは最終的なファイルサイズが事前に分からないというデメリットがありますが、映像内容に応じた最適な品質配分が自動的に行われるため、VOD(ビデオオンデマンド)の書き出しに適しています。YouTubeへのアップロード素材の書き出しにはCRF 18〜23程度(H.264)が品質とサイズのバランスが良い設定です。
映像ビットレートの目安一覧
各解像度・フレームレートのH.264映像ビットレートの目安(SDR・YTube推奨)をまとめます。2160p(4K)60fps:53〜68Mbps。2160p(4K)30fps:35〜45Mbps。1440p(2K)60fps:16Mbps。1440p(2K)30fps:10〜16Mbps。1080p 60fps:8〜12Mbps。1080p 30fps:8Mbps。720p 60fps:7.5Mbps。720p 30fps:5Mbps。
H.265(HEVC)はH.264の約半分のビットレードで同等品質を実現します。1080p 30fpsのH.265は約4Mbpsで、H.264の8Mbpsと同等品質になります。VideoAudioTuneは映像ビットレートを変更しないため、これらの設定は動画書き出し段階(編集ソフト・HandBrake等)で設定します。
音声ビットレートと映像の関係
動画ファイル全体のビットレートは映像ビットレート+音声ビットレート+コンテナオーバーヘッドの合計です。1080p/8Mbps映像にAAC 192kbpsの音声を加えると、合計約8.2Mbps(映像8Mbps + 音声0.192Mbps)です。音声は全体の約2.3%に過ぎません。
このため、音声ビットレートを128kbpsから320kbpsに上げても、ファイルサイズへの影響は非常に小さいです。映像が8MbpsのMP4で音声を128kbpsから320kbpsに上げた場合、10分動画で約1.4MBの増加((320-128)kbps × 600s ÷ 8 = 14,400KB = 約14MB → あれ計算し直すと1.44MB/分 × 10分 = 14.4MB増加)となります。音声品質を最高(320kbps)に設定しても映像全体へのファイルサイズ増加は限定的です。
まとめ
動画ビットレートの種類(CBR・VBR・ABR・CRF)を用途に応じて選ぶことで、映像品質とファイルサイズを最適化できます。VideoAudioTuneは映像ビットレートを変えずに音声のみを処理します。音声ビットレートの変更はファイルサイズへの影響が小さいため、遠慮なく高音質設定(192〜320kbps)を選んでください。