音声トラブル解決

音声ノイズの種類と除去方法|ホワイトノイズ・ハム音・クリックノイズ

2026-04-03

動画音声に含まれるノイズは視聴体験を大きく損ないます。ノイズには様々な種類があり、それぞれ原因・特性・除去方法が異なります。適切なノイズ除去で音声のクリア感が格段に向上し、プロフェッショナルな印象を与えられます。

ノイズの主な種類

ホワイトノイズ・ブロードバンドノイズ:すべての周波数帯域に均等に分布したノイズです。「サーッ」「シーッ」という音として聴こえます。マイクの熱雑音・プリアンプのノイズ・電気ノイズが原因です。ハム音(Hum):50Hz(日本・欧州)または60Hz(北米)の電源周波数とその倍音が音声に混入するノイズです。「ブーン」という低い音として聴こえます。電気機器の電磁誘導・アース不良・シールドケーブルの不適切な使用が原因です。

クリックノイズ・ポップノイズ:短時間の突発的な衝撃音。口の音(クリック)・マウスクリック音・電気的なスパイク音などです。環境ノイズ:エアコン・冷蔵庫・外の交通音・人の話し声・ペットの音など、収録環境に存在する音です。ブロードバンドに分布することが多いです。リバーブ・エコー:室内の反響による「残響感」「遅れ音」。厳密にはノイズではありませんが、音質問題として扱われます。

ノイズ除去ツールと方法

Audacity(無料):ノイズプロファイル採取機能を使ってブロードバンドノイズを除去できます。まず無音部分(ノイズのみが入っている部分)を選択してノイズプロファイルを採取し、次に全音声に対してノイズ低減を適用します。ノイズ除去量とノイズフロア・平滑化パラメーターを調整することで、自然さを保ちながらノイズを軽減できます。

iZotope RX(有料・業界標準):音声修復・ノイズ除去のプロフェッショナルツールです。Dialogue De-Noise・De-Hum・De-Click・De-Rumble・De-Reverbなど、各ノイズタイプに特化したモジュールを持ちます。放送・映画・音楽制作の現場で広く使われています。DaVinci ResolveのFairlight:無料の映像編集ソフトに含まれる音声編集環境で、ノイズリダクション機能を持ちます。Adobe Audition:Premiere Proとのインテグレーションが優れた音声編集ソフトで、AIベースのノイズリダクション機能があります。

VideoAudioTuneとノイズ

VideoAudioTuneはEQとコンプレッサーに特化したツールで、専用のノイズ除去機能は持っていません。ただし、EQプリセットを使って特定の周波数帯のノイズを軽減することは可能です。例えばハム音(50/60Hzおよびその倍音)は、低音域を減衰させるプリセット(Muddy Fix・Conference等)によって若干軽減できます。ただし完全なノイズ除去は行えません。

最も効果的なアプローチは、まずAudacityやDaVinci Resolve等のノイズ除去ツールでノイズを除去し、その後VideoAudioTuneでEQ・コンプレッサー処理を行うという2ステップのワークフローです。VideoAudioTuneはノイズ除去後の音声を最終仕上げするポストプロダクションツールとして位置付けると効果的です。

ノイズ予防のための収録ポイント

ノイズ問題は後処理より収録段階での予防が効果的です。電源ノイズ(ハム音)対策:バランスケーブル(XLR)の使用・適切なアース接続・電磁波を出す機器からマイクを離すことで軽減できます。ホワイトノイズ対策:低ノイズのプリアンプ・オーディオインターフェースを使用することで、マイクアンプのノイズフロアを下げられます。

環境ノイズ対策:エアコン・冷蔵庫などは収録中にOFFにする、交通音が少ない時間帯を選ぶ、吸音素材で囲まれた静かな収録環境を用意するなどの対策があります。マイクの指向性活用:カーディオイド(単一指向性)マイクを使い、ノイズ源の反対方向にマイクを向けることで、ノイズの拾い込みを減らせます。

ノイズ除去の程度と音質のトレードオフ

ノイズ除去を強くかけすぎると「アーティファクト」と呼ばれる不自然な音が発生します。特にブロードバンドノイズの除去を強くかけると、音声が「水中で話しているような」「コンサートホールのような残響がある」奇妙な音になります。これは、ノイズ除去アルゴリズムが音声成分とノイズ成分の分離に失敗した結果です。

ノイズ除去は「ノイズが気にならない程度に軽減する」ことを目標にし、完全なゼロを目指すのは逆効果になることが多いです。段階的に除去量を上げながら、自然な音声が保たれているかを確認することが大切です。AudioCityのノイズ低減では「Noise Reduction (dB)」を6〜12dB程度から試してみることをおすすめします。

まとめ

音声ノイズにはホワイトノイズ・ハム音・クリックノイズ・環境ノイズなど多様な種類があり、それぞれに適した除去方法があります。VideoAudioTuneは専用のノイズ除去機能を持ちませんが、EQによる特定帯域の軽減は可能です。Audacityなどでノイズ除去を行った後にVideoAudioTuneでEQ処理を行うワークフローが最も効果的です。