EQプリセット活用

イコライザーの種類|グラフィックEQ・パラメトリックEQ・シェルフィングEQ比較

2026-04-03

イコライザー(EQ)には様々な種類があり、それぞれ用途と特徴が異なります。グラフィックEQ・パラメトリックEQ・シェルフィングEQ・ダイナミックEQなどの違いを理解することで、適切なEQを選択できます。

グラフィックEQ(Graphic EQ)

グラフィックEQ(Graphic Equalizer)は固定された複数の周波数帯域をスライダーで調整するEQです。各スライダーが担当する周波数帯域の増幅・減衰量(dB)を視覚的に調整できます。スライダーの配置がEQカーブの「グラフ」を視覚的に表すことから「グラフィック」と呼ばれます。

グラフィックEQの帯域数:5バンド・10バンド・15バンド・31バンドなど様々。家庭用ステレオや車のカーオーディオに内蔵されているEQが代表的なグラフィックEQ。利点:直感的な操作・視覚的なフィードバック。欠点:各バンドの中心周波数が固定されているため細かい調整が難しい・帯域間の影響が大きい。

パラメトリックEQ(Parametric EQ)

パラメトリックEQ(Parametric EQ)はより多くのパラメーターを細かく設定できるEQです。通常3〜8つのバンド(全バンドのパラメーターが調整可能なものをフルパラメトリックEQと呼ぶ)。各バンドのパラメーター:Frequency(周波数):中心周波数を任意で設定。Gain(ゲイン):増幅・減衰量(dB)。Q値(クオリティファクター):バンドの幅の設定。Q値が高いほど狭い帯域を調整、低いほど広い帯域を調整。

パラメトリックEQの利点:任意の周波数を精密に調整可能。Q値でバンド幅を自由に設定。プロのスタジオ録音・マスタリング・音声処理に広く使用。VideoAudioTuneのEQプリセットはパラメトリックEQの設定を事前に最適化したものです。ユーザーはプリセットを選ぶだけで、パラメトリックEQの専門的な設定を自動適用できます。

シェルフィングEQ

シェルフィングEQ(Shelving EQ)は特定の周波数以上(または以下)のすべての周波数を均等に増幅・減衰させるEQフィルターです。ハイシェルフ(High Shelf):設定した周波数以上のすべての音を増幅または減衰。高音全体を持ち上げる(Treble Boost)・下げる(Treble Cut)ような調整に使用。ローシェルフ(Low Shelf):設定した周波数以下のすべての音を増幅または減衰。低音全体を持ち上げる(Bass Boost)・下げる(Bass Cut)ような調整に使用。

シェルフィングEQの用途:レコードプレーヤーのRIAAカーブ補正(LPレコードの録音特性をシェルフEQで補正)。大まかな音色調整(全体的に明るく・暗くしたい場合)。VideoAudioTuneのBass Boost・Bass Heavyプリセットはローシェルフ(低周波数帯を増幅)を中心としたEQ設定で、Treble Boostはハイシェルフ(高周波数帯を増幅)を使用しています。

ハイパス・ローパスフィルター

フィルター(Filter)はEQの特殊なバンドで、特定の周波数以上または以下の信号を急峻にカットします。ハイパスフィルター(High Pass Filter:HPF):設定した周波数以下を遮断(高い周波数を通す)。マイクから拾った低域ノイズ・ハンドリングノイズ・空調ノイズなどを除去。Low Cutフィルターとも呼ばれます。一般的な設定:80Hz〜120Hz。

ローパスフィルター(Low Pass Filter:LPF):設定した周波数以上を遮断(低い周波数を通す)。非常に高い周波数のノイズ(テープヒス・電気ノイズ)を除去。High Cutフィルターとも呼ばれます。バンドパスフィルター(Band Pass Filter:BPF):特定の周波数帯域のみを通し、それ以外をカット。電話・無線ラジオのような音質効果を作るのにも使用。

ダイナミックEQとマルチバンドコンプレッサー

ダイナミックEQ(Dynamic EQ)は特定の周波数帯域の信号レベルが閾値を超えた場合にのみEQ処理を適用する高度なエフェクトです。例えば、ボーカルの「サ行(S音)」の高音域が過剰に大きくなる「サ行つき(Sibilance)」問題を、その特定の周波数が大きくなったときだけカットする(ディエッサー機能)ために使用します。

マルチバンドコンプレッサー(Multi-band Compressor):音声を複数の周波数帯域に分割し、各帯域に独立したコンプレッサー処理を行うエフェクト。低音だけコンプレッサーを強くかけて迫力を出しつつ中高音域は自然なダイナミクスを保つなど、帯域ごとに異なるダイナミクス制御が可能です。マスタリングやブロードキャスト音声処理で広く使用されます。VideoAudioTuneのEQプリセットはパラメトリックEQとシェルフィングEQの組み合わせで最適化されています。

まとめ

EQの種類(グラフィック・パラメトリック・シェルフィング・フィルター)はそれぞれ異なる調整能力と用途を持ちます。VideoAudioTuneのプリセットはパラメトリックEQ・シェルフィングEQの最適設定を事前に組み込んでおり、専門的なEQ知識がなくてもプロ品質の音声処理が可能です。