Dynamics & Loudness

ラウドネス正規化とは|LUFS・R128・True Peakの解説

2026-04-03

動画や音楽を複数の動画を連続再生するとき、コンテンツによって音量が大きく異なる体験はよくあります。この問題を解決するために、主要なプラットフォームはラウドネス正規化を採用しています。ラウドネス正規化の仕組みとコンテンツ制作での活用方法を解説します。

ラウドネスとは

ラウドネス(Loudness)とは音の「主観的な大きさ」の度合いです。デジタルオーディオのピーク音量(dBFS:デジベル Full Scale)とは異なり、人間の聴覚の周波数感度特性を考慮した「知覚的な音量」の尺度です。

人間の聴覚は周波数によって感度が異なります。中音域(2〜4kHz付近)に最も感度が高く、低音域・高音域は同じ音圧でも小さく聴こえます。ラウドネス計測ではこの周波数感度特性(K-weightingフィルター)を適用して、人間が感じる音量に近い値を算出します。

LUFSとは

LUFS(Loudness Units relative to Full Scale)はラウドネスの標準的な測定単位です。国際電気通信連合(ITU)のITU-R BS.1770規格で定義されており、ストリーミングサービス・放送局・映画産業で広く採用されています。

LUFS値は数値が大きい(0に近い)ほど音量が大きく、数値が小さい(マイナスが大きい)ほど音量が小さい。Integrated LUFS(積分LUFS)はコンテンツ全体の平均ラウドネスを表します。Short-term LUFS(短期LUFS)は3秒間のラウドネスを表し、リアルタイムモニタリングに使用。LRA(Loudness Range)はコンテンツのダイナミクス範囲を表します。

プラットフォーム別推奨LUFS値

主要プラットフォームのラウドネス正規化ターゲット値:YouTube:-14 LUFS(この値より音量が大きい動画は自動的に-14 LUFSに下げられる。-14以下の場合は音量は変更しない)。Spotify:-14 LUFS(標準設定)、-11〜-23 LUFSの間で再生時に音量調整。Apple Music:-16 LUFS(Sound Check機能でのターゲット)。Tidal:-14 LUFS。Amazon Music:-14 LUFS。

放送・映画向け標準:EBU R128(欧州放送規格):-23 LUFS。ATSC A/85(北米放送規格):-24 LUFS。映画:-27 LUFS前後(映画館での再生環境を考慮)。コンテンツ制作時は配信先のターゲットLUFS値に合わせてマスタリングすることで、プラットフォームによる音量変更を最小限に抑えられます。

True Peak Limiting(トゥルーピークリミッター)

True Peak(トゥルーピーク)はデジタルオーディオのサンプル間(インターサンプル)で発生する可能性のある実際のピーク値です。通常のデジタルピーク(dBFS)はサンプルポイントでのみ計測しますが、DA変換後のアナログ信号ではサンプル間で0dBFSを超えるクリッピングが発生することがあります。

True Peak Limitingは、この問題を防ぐために使用します。YouTube・Spotifyの推奨True Peak値は-1〜-2 dBTP(デジタルトゥルーピーク)。放送(EBU R128)の推奨値は-1 dBTP。マスタリング段階でTrue Peak Limiterを適用することで、ストリーミング再生時のひずみを防止できます。

VideoAudioTuneでの音量最適化

VideoAudioTuneの音量最適化機能は、動画の音声に対してコンプレッサーを適用してダイナミクスを均一化します。これにより、音声が過度に小さかったり大きかったりする問題を改善します。完全なLUFSターゲット設定機能は現時点では提供していませんが、音声処理の結果として動画のラウドネスが改善されます。

本格的なLUFSターゲットコントロールを行いたい場合は、Audacity・Adobe Audition・Logic Pro・Nuendo等のDAWソフトウェアのラウドネス正規化機能を使用することをおすすめします。VideoAudioTuneはEQプリセットと基本的なダイナミクス処理でコンテンツの音声品質を向上させる用途に最適です。

まとめ

ラウドネス正規化はYouTube・Spotify等の主要プラットフォームで採用されており、コンテンツ制作時にLUFS目標値を意識することが重要です。VideoAudioTuneの音声最適化で基本的なダイナミクス改善を行い、さらに本格的なラウドネス管理が必要な場合はDAWのラウドネス正規化機能を活用してください。